2014-04-04

Nikon「COOLPIX P340」

今回はNikon製のコンパクトデジタルカメラ「COOLPIX P340」を購入したので感じた点等をレビュー風に書いてみる。
これまで筆者が使用していた機種が「COOLPIX P300」で、シリーズで言うと初代の「P300」から「P310」「P330」「P340」と4世代を経ており、オリジナルモデルとは同じようでいて色々と細かい点が異なっている。個人的には、P300に比べてP330やP340は撮像素子が1/2.3型から1/1.7型へと大型化したことと、RAWデータの保存が可能になったことが買替えの大きな要因となっている。とは言え、多くの人の興味は、前世代の「P330」からの相違点だと思うので、その部分を中心に扱うつもりである。

まずカタログでも分かる主要スペックについては、35mm判換算24-100mm相当のF1.8-5.6の5倍ズームレンズ、有効1,219万画素の1/1.7型裏面照射型CMOSセンサー、外形寸法は約103.0×58.3×32.0mm、と「COOLPIX P330」と同様で、異なるのはGPSレシーバーが省かれて、代わりにWi-Fi親局機能を内蔵している。P330ではWi-Fiをアダプター装着によって実現していたので、手軽に利用できるようになったと言える。なお、Wi-Fi機能を搭載したモデルは多いが、P340のようにIEEE 802.11b/gにしか対応していないのは珍しい。少なくともIEEE 802.11nは使えないと通信速度上で不利になると心配しているが、もしかすると他に性能上のボトルネックがあるのだろうか。重さについては、約200gから約194gへと少々だが軽くなっている。ちなみに、ISO感度は従来の範囲に加えてISO 25600相当も利用できるが、これは高感度モノクロエフェクト専用となっている。また、主な追加機能としてレンズ周りのリング部分で手動回転による各種調節を可能としたことで、他社からも続々とリリースされているハイスペックコンパクトモデルに追従したものとみられる。

ボディの外観にしても、サイズが同等で、機能的にも差が小さいことからP330との差はごく僅かである。目立つ部分では、レンズ周りのリングが斜めに面取りされていたP330に比べて、コントロール用に指掛かりが良くなるように側面の幅を確保するために面取りをごく小さい範囲としている。また、目立たないがボディ前面の右手の指で掴むグリップ用の突起が、比較的丸みを帯びていたP330に比べて、より鋭角に尖った感じで断面が三角形に近くになっている。他に、撮影モードを切り換えるボディ上部のモードダイヤルでは、P330がシーンモードの中から「夜景」だけが独立していたが、P340では夜景がシーンモードの中に取り込まれており代わりに「スペシャルエフェクト」がダイヤル上で直接選べるようになっている。個人的には、あまりエフェクト撮影を使うことがないので、夜景の方が良かったかもしれない。
さらに、ボディにプリントされているアイコン類では、GPSマークからWi-Fiマークに変更されているぐらいの違いである。

新たに追加されたコントロールリングの機能は、標準だとメニューを呼び出して使いたい機能を選ぶタイプで、通常は前回選んだ機能が次回に優先して機能するが、個別の機能を固定的に優先するように割り当てることもできる。ただし、選べる機能は露出、感度、ホワイトバランス、フォーカス、ズーム、シャッタースピード、絞りの各調整と実に多彩に渡っており、活用するには意識的な使いこなしが必要となりそうである。

各種機能の中で意外だったのは、プログラムモードやマニュアルモード等で使用する「AFエリア選択」の中から「オート(9点)」が無くなっていることである。P340の場合は初期設定で「ターゲットファインドAF」が選ばれており、使ってみた感じでは、このAFでも比較的高速に合焦するので、他社の高速な機種には及ばないものの比較的スムーズに撮影ができる印象がある。ただし、この設定では距離が近いとみなした被写体に優先的にピントを合わせるようになっているので、シチュエーションによっては意図しないエリアを抽出することになりそうだ。
一方、マニュアルフォーカスを利用する場合にフォーカスの合焦範囲を表示・調節する「ピーキング」機能が新たに加わっている。ピーキングのレベルを調節することで、コントラストが強過ぎたり弱過ぎたりする被写体にも対応し易くなる。
さらに、新たに「多重露出」機能も加えられているが、RAWデータを保存する場合には利用できない。

初代P300から比べると追加されている機能は数多くあるのだが、ここは使い勝手の上での利点に絞って補足しておくことにする。
このシリーズは、バッテリーの充電に専用のチャージャを使わずにカメラ本体に装着した状態でmicroUSB端子を通じて充電することができるようになっている。この端子が、P300ではボディの底にあるバッテリー用フタの脇にあったのだが、P340ではボディ右側面上部にHDMI端子と並んで位置している。このため、ボディ底の三脚取付けネジを利用して装着する専用ケースを外すことなく充電ができるようになった。
また、P300ではストラップの取付け用の穴がボディ左側面中央に一個所だけとなっていた。このため、メーカー純正の専用ケースではストラップを両吊りとするためにボディではなくケースの方に取り付ける仕組みになっている。それに対して、P340では(P330も同様)ストラップの取付け用の穴がボディ両側面上方に用意されているので、専用ケースに付属しているストラップも直接ボディに取り付けるようになった。

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