2013-05-05

Macで設定するYAMAHAルーター"NVR500" (2)



 前回に引き続き、ヤマハのブロードバンドルーター"NVR500"の設定の覚え書きを残しておく。
 今回は詳細設定の際に利用するCUIの一種であるtelnetでの接続を選んでみた。NVR500にはコンソールポートも用意されているが、Macでシリアルポートに接続してターミナルエミュレータを使用するのはハードルが高いので、単純にLAN接続したMacからでも利用できるtelnet接続を選択したというわけである。

 普通に家庭内LANをインターネットに接続するだけなら、http接続のGUI画面で大抵の設定はできてしまうのだが、CUIでの操作が必要になる例として、フレッツ光ネクストの回線でNTT東日本の「サービス情報サイト」(旧名:フレッツ・スクウェアネクスト)に接続を可能にする設定を例に挙げてみる。

 まずは、Macからルーターにtelnet接続する準備から。
 ここではOSがMountain Lion (10.8系)又はLion (10.7系)の場合で説明しているので、その他の環境については内容が合わない可能性がある。

【telnet接続の準備】
 telnet接続には、OS標準の「ターミナル」アプリが利用できる。
 このアプリは、<アプリケーション→ユーティリティ→ターミナル>とたどることで起動できる。(Finder又はLaunchpadを使用)
 このターミナルアプリは、ごく普通に新規ウインドウを開くとOSのシェルコマンド入力画面となるのだが、リモート接続を指定することで外部へのtelnet接続もできる。telnet接続のウインドウを開く際のプロファイルはデフォルトだと「Basic」が使用されるので、まずは最低限の設定をしておく。なお、本来ならルーター接続専用のプロファイルを作成するのが他への影響を最小限に抑えるためには有効だが、それだと何かと手順が増えるので、簡易な設定で妥協することにした。
 なお、デフォルトでは割と短い時間でtelnet接続が自動的に切断されるので、注意をして短時間に済ませるように準備をしておくことをお勧めする。

 最初にターミナルを起動すると、コマンド入力ウインドウが開くかもしれないが取りあえず気にしなくても良い。メニューバーのターミナルから「環境設定…」を選ぶとダイアログが表示される。上部の「設定」アイコンを選び、左のプロファイルリストで「Basic」が選択されている状態で右の「詳細」タブを選ぶ。下に表示される言語環境の「文字エンコーディング」を「日本語(Shift JIS)」にしてからダイアログを閉じる。
今度はメニューバーのシェルから「新規リモート接続…」を選択すると「新規リモート接続」ウインドウが表示される。「サービス」リストから「リモートログイン (telnet)」を選ぶと右の「サーバ」リストに接続先が表示される。初めてアクセスする場合は候補が出てこないので、下の「+」をクリックしてルーターのLAN側IPアドレスを入力する。NVR500のデフォルトではアドレスが「192.168.100.1」となる。一度入力すれば次回からは自動的にサーバリストに表示されるようになる。表示されたルーターのアドレスを選択して、ルーターへは無名ユーザでの接続なら下の「ユーザ」欄は未入力のままで「接続」ボタンを押すとtelnet接続のウインドウが表示される。
 最初は接続ユーザのパスワード入力待ちになるので、初期に設定した無名ユーザのパスワードを入力する。パスワード設定を省略した場合は、returnキーを押すだけで良い。通常のプロンプト「>」が表示されたら試しに「help」と入力してreturnキーを押してみると日本語でキー操作の説明が表示される。これで文字化けが起きているようなら設定を見直すことになる。ページ継続の「つづく」が表示された場合はspaceキーを押せば続行する。
 このままでは一般ユーザレベルでの接続なので、設定変更に必要な管理ユーザレベルに切り換えるために「administrator」コマンドを入力する。単純に「administrator」とだけ入力してreturnキーを押し、パスワードを求められたら初期に設定した管理ユーザのパスワードを入力する。その後、プロンプトが「#」に変化したら切換えが成功したことになる。
 ここで各種の設定をコマンド入力によって実施するが、必ず最後は「save」コマンドで設定を保存して終わることを忘れないように。保存が終わったら「quit」コマンドで一般ユーザレベルに切り換えて、さらに「quit」コマンドでtelnet接続を終了することになる。Mac側ではウインドウを閉じて、さらにターミナルアプリを終了させる。

 以上がtelnet接続の一通りの手順となる。

 次は詳細設定の例である。この設定は、フレッツ光ネクストで通常のIPv4接続をしている環境で、NGN網へIPv6で接続することでNTTの「サービス情報サイト」へアクセスを可能にするために利用する。今となってはこのサイトにアクセスする必要性は低いのだが、もしもの時に工事や故障の情報等を参照するかもしれないので一応設定しておくことにした。

【IPv6接続の設定】
 ここから先はヤマハのサポート情報にあるFAQを参考にした。
  http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/FAQ/FLETS-HIKARI-NEXT/flets_square_next.html
「フレッツ・スクウェアネクストなどのIPv6を必要とするサービスを使うにはどうすればよいですか?」

 この設定例の中でひかり電話を契約していないRAプロキシを使用する場合のコマンドは次の3行が例示されている。
ipv6 prefix 1 ra-prefix@lan2::/64
ipv6 lan1 address ra-prefix@lan2::1/64
ipv6 lan1 rtadv send 1
ここでの「lan2」とはルーターのWANポートを示しており、これでIPv6通信の割当てを設定することになる。ちなみに、個人的にIPv6に不慣れなため、最初「::」や「::1」がIPアドレスの表記であることに気付くまで少々遠回りをしてしまった。
 ともかく前記のtelnet接続が成功して「#」プロンプトが出ている状態で、上記の3行のコマンドを1行ずつコピー&ペーストしてreturnキーを押すことを繰り返せば、設定は完了である。最後に「save」コマンドを入れて保存をしたら、telnet接続を解除したおく。

 この後、Macのブラウザで下記のアドレスにアクセスすれば「サービス情報サイト」が表示されるようになる。
  http://flets-east.jp/
 ちなみに、Macのシステム環境設定でネットワーク→利用中のインタフェース→詳細…→TCP/IP→IPv6の構成、では「自動」を選択しておく。

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