2013-05-04

Macで設定するYAMAHAルーター"NVR500" (1)


 YAMAHAのルーター“NVR500”を購入したので、自宅のNTT東日本フレッツ光ネクストファミリー・ハイスピードタイプの戸建て向けサービスへの接続の記録をしておく。


 MacでNVR500を管理するのに必要なのは、最低限LANケーブル1本だけである。
 簡単な設定ならMacとルーターをLANケーブルで直結してWebブラウザから設定ページにアクセスすれば用が足りてしまう。コマンドを使用した詳細設定についても、同じ接続方法でMacからルーターにtelnet接続をすれば良い。Mac側のtelnetクライアントソフトはOS標準のターミナルアプリが利用できる。その利用方法は次回の記事で掲載することにしたい。さらに、ルーターのファームウェアのリビジョンアップにしても、本体のDOWNLOADボタン操作だけで実行できてしまう(あらかじめボタンの機能設定が必要)。

 まずはYAMAHAのサポートサイトから最新のマニュアルをダウンロードする。
  http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/manual.html
 ページのタイトルは「RTシリーズのマニュアル配布」となっているが、NVR500も一応RTシリーズの廉価タイプということになるようで、ページの中程にリンクが掲載されている。
 なお、筆者の購入したNVR500は出荷時のファームウェアがRev.11.00.19となっていたが、公開されているコマンドリファレンスは既にRev.11.00.20対応である。初期の設定にはファームウェアのバージョンアップは必要ないはずなので、現状のままのファームウェアで設定してみることにする。ダウンロードできるのは次の4種類のマニュアルである。

  • 取扱説明書
  • はじめにお読みください
  • コマンドリファレンス
  • 正誤表

これらのうち、コマンドリファレンスはAcrobat DocumentスタイルのファイルとHTMLスタイルのアーカイブが用意されており、HTML版はこのサイト内でも閲覧できるようになっている。

 最初は「はじめにお読みください」のマニュアルに沿って初期の設定を試してみる。
 このルーターには底面に3つの切換えスイッチが用意されているが、今回はISDNを扱わないので出荷時の設定のままで設定を進める。

1.MacのEthernetポートとルーターのLANポートをLANケーブルで接続する。
 MacBook ProのThunderboltポートにThunderbolt-to Gigabit Ethernet Adapterを接続して、Twisted PairケーブルでNVR500のLAN 1ポートに接続した。この場合はLAN 1からLAN 4までのいずれのポートを使用しても構わない。

2.ONUのLANポートとルーターのWANポートをLANケーブルで接続する。
 一般的にONUのようなモデム類は、LANポートに接続される機器の情報を保持していて、他の機器に交換した場合はしばらく時間をおく必要がある製品もあるが、当方のフレッツ光ネクスト用のONUではその必要は無かったようだ。

3.アース端子の接続は省略する。
 本来ならここでアースラインの接続をするべきだが、手頃なアース接続先が無いので省略した。

4.ACアダプタをルーターの電源コネクタに接続してから、コンセントに接続する。
 この製品のACアダプタは、コンセントの端子が並んでいる方向に長さがあるタイプなので、比較的隣の差込口に干渉しないで済む。

5.ルーターのPOWERスイッチを「ON」にして電源を入れる。
 ルーター前面のランプが順次フラッシュ点灯した後に、各デバイスポートのランプがしばらく点滅して、ONランプが点灯する。デフォルトではリンクアップ時にブザーが鳴るように設定されているので、途中単音のブザーも鳴動する。

6.Macのネットワークを切り換える。
 Macのシステム環境設定を起動して、ネットワークアイコンを選択し、左側のリストからルーターを接続したネットワークインタフェースを選択する。今回はアダプタを利用しているので「Thunderbolt Ethernet」を選んだ。通常は右のペインで「IPv4 の構成」から「DHCP サーバを使用」を選択して、右下の「適用」ボタンをクリックして設定を保存する。初期の状態なら次のように表示される。

  • IP アドレス:192.168.100.2
  • サブネットマスク:255.255.255.0
  • ルーター:192.168.100.1
  • DNS サーバ:192.168.100.1

もちろん既にDHCPのアドレス払出しが進んでいると、192.168.100.2の「2」の部分は他の値になっていることもあり得るが、そこは気にしなくても問題ない。
 アドレスやサブネットマスクが表示されなかったり、元の値が残ったままになっている場合には、右下の「詳細…」ボタンをクリックして、「TCP/IP」タブを選んだら、右にある「DHCP リースを更新」ボタンをクリックしてアドレス等が表示されることを確認して「OK」ボタンをクリックする。その後に「適用」ボタンがアクティブになっているようならクリックして設定を保存する。
 これでMacからルーターにアクセスする準備は整ったので、システム環境設定は終了する。

7.MacでWebブラウザを起動して「かんたん設定ページ」を開く。
 Safariを起動して、現状のウインドウ又は新しいウインドウやタブを開いて、アドレス欄に「http://setup.netvolante.jp/」と入力してreturnキーを押す。ちなみにマニュアルには「jp」の前のドットが抜けたアドレスが誤記されているので注意が必要である。
 ここでIDとパスワードを要求されたら何も入力せずに「OK」してよい。それでもアクセスできない場合は、他のブラウザを使って試してみると良い。筆者はSafariでアクセスできなかったのでFirefoxで代替えしてみた。
 アクセスに成功すると「かんたん設定ページ」が開き、各種の設定や情報の参照ができる。

 ここまでが「はじめにお読みください」に記載されている範囲で、ここからは「取扱説明書」に従って設定を進めて行く。

 接続の準備は既にできているので、51ページの「準備3 パスワードを設定する」から取り掛かることにする。
 始めに管理パスワードの登録を、次に無名ユーザの登録をするのだが、ここはマニュアル通りで特筆すべきことは無い。この管理パスワードは、後にルーターの設定を変更する際のコンソールからのアクセス等で、一般ユーザから管理者に権限変更するためのadministratorコマンドでも利用される。また、無名ユーザは通常のログインで使用されるが、設定をしないままにしておくとログインでは管理パスワードが使用できる。
 操作順序は次の通り。
「かんたん設定ページ」:「詳細設定と情報」ボタン
「ユーザとアクセス制限の設定(HTTP、TELNET、SSH)」→「設定」ボタン
「管理パスワード」欄→管理パスワードを入力
「設定の確定」ボタン
「トップへ戻る」ボタン
ここでパスワード入力を求められるので、「パスワード」欄に前記の管理パスワードを入力してから、「OK」をクリックする。
この時に、「ユーザー名」欄は入力しない。
「かんたん設定ページ」:「詳細設定と情報」ボタン
「ユーザとアクセス制限の設定(HTTP、TELNET、SSH)」→「設定」ボタン
「無名ユーザ」→「設定」ボタン
「ログインパスワード」欄→ログイン用パスワードを入力
「設定の確定」ボタン
「トップへ戻る」ボタン

 次は55ページの「準備4 日付・時刻を合わせる」へ。
 取扱説明書では手動で日時を設定する操作が書いてあるが、ついでにNTPサーバを利用した時刻の自動補正の設定もしておくと良い。なお、ルータの設定によってはルータ自身がNTPサーバとの通信パケットを破棄してしまって時刻合わせができなくなるが、工場出荷状態でのファイアウォールのセキュリティレベルは「6」に設定されているので、敢えて変更しなければ特別な措置は必要ないようだ。
 操作順序は次の通り。
「かんたん設定ページ」:「詳細設定と情報」ボタン
「本体の設定(日付・時刻)、ブザー)」→「設定」ボタン
「日付と時刻の設定」欄:「下記設定日時に変更する」にチェックを入れる
「年月日時分秒」欄→日付と時刻を入力
「問い合せ先NTPサーバ」欄→サーバアドレスを入力
(ここはMacユーザなら"time.asia.apple.co.jp"を利用すべきだろうか(笑)。)
「NTPサーバによる自動調整」:「日」欄→適度な調整間隔を選択
(あまり過度に調整するのは考えもの。調整時刻は気にしなければ変更不要。)
「設定の確定」ボタン
「トップへ戻る」ボタン

 さらに57ページの「準備 5 LAN側IPアドレスを設定する」へ。
 NVR500のデフォルト設定では、ルーターのアドレスが192.168.100.1でDHCPサーバからの割当て範囲は192.168.100.2〜192.168.100.191の190個分となっている。通常の家庭内LANなら他の機器と競合することもないので、このままで利用できるなら変更の必要は無い。

 そして59ページの「準備 6 LAN内のパソコンのIPアドレスを変更する」へ。
 ここはルーターの設定というよりは各クライアント側の設定になる。
 従来から固定IPアドレスを設定している機器は、前記のLAN側IPアドレスの設定に従ってデフォルトなら192.168.100.0/24でのアドレスを設定することになる。筆者の自宅では随分前からNASを設置しているので、192.168.100.200に設定しておいた。他にも固定IPアドレスの機器は192.168.100.201以降のアドレスを順に設定していく。

 次はいよいよ外部ネットワークへの接続である。
 取扱説明書60ページの「インターネットへの接続方法を選ぶ」に従って、フレッツ光なら「ブロードバンド回線でインターネットへ常時接続する」により61ページへと進む。
 操作順序は次の通り。
「かんたん設定ページ」:「プロバイダ情報の設定」ボタン
ここで回線の自動判別機能が動作する。
「プロバイダの設定1/4ページ」:「PPPoEを用いる端末型ブロードバンド接続」にチェックが入っていることを確認
「次へ」ボタン
「プロバイダの設定2/4ページ」:「設定名」欄→適当な名前を入力
(この入力は省略も可能だが、後で簡単設定ページトップの接続状態表示等で使用されるので短めの識別しやすい名称を付けておいた方がスマートである。)
「ユーザID」欄→プロバイダの接続用ユーザIDを入力
(ここは例えばニフティなら"abc01234@nifty.com"といったスタイルになる。)
「接続パスワード」欄→プロバイダの接続用パスワードを入力
「次へ」ボタン
「プロバイダの設定3/4ページ」:自動取得又は指定アドレス設定
(ここもプロバイダからの指定に従って選択する。以前は特定のDNSサーバアドレスを公開していたプロバイダも多かったが最近は自動取得が推奨されているようだ。)
「次へ」ボタン
「プロバイダの設定3/4ページ」:以上の設定内容を確認
「設定の確定」ボタン
「接続」ボタン
これでプロバイダへの接続状態が表示されるので、「通信中」になれば設定は成功したことになる。
 当面、電話機の利用やVPN類の利用を考えていないので、この後の設定は割愛する。

 これ以降、ストレージの共有(174ページ)やセキュリティ関連(182ページ)、外部向けポート割当て(192ページ)については別途試してみることにする。
 また、203ページには「フレッツ・スクウェアを利用する」として複数の接続先への接続例を示しているが、フレッツ光ネクストの場合はIPv4でプロバイダと接続していても、NGN網にIPv6接続することで専用サイトにアクセスできるようになっているので、その方法は後の記事に例示する。

 UPnP機能については206ページに説明があり、208ページには工場出荷状態ではUPnP機能を「使用する」の設定になっていると記載されているが、少なくとも筆者の装置では「使用しない」になっていた。
 この設定は次の手順で変更できる。
「かんたん設定ページ」:「詳細設定と情報」ボタン
「UPnPの設定」→「設定」ボタン
「UPnPの使用」欄→「使用する」を選択
「設定の確定」ボタン
「トップへ戻る」ボタン

 ファームウェアのリビジョンアップ方法は241ページに記載がある。
 ルーター本体の前面にあるDOWNLOADボタンによるリビジョンアップを利用するには次の手順で設定が必要である。
「かんたん設定ページ」:「詳細設定と情報」ボタン
「DOWNLOADボタンの設定」→「設定」ボタン
「DOWNLOADボタンで使用する機能」欄→「リビジョンアップ」を選択
「設定の確定」ボタン
「トップへ戻る」ボタン
なお、リビジョンアップ画面を利用した方法も選択できる。

以上が基本的な接続の設定となる。
次回はMacからtelnet接続を利用して、フレッツ光の「サービス情報サイト」(旧フレッツ・スクウェア)への接続を有効にする設定の手順を説明する。

2012-06-18

日本通信「b-mobile Fair」をSIMロックフリーのiPhone 4で利用

今となっては珍しくなくなってしまったが、日本通信の「b-mobile Fair」というSIM商品を購入したので久々にレポートしてみる。利用目的は、2年程前に購入して最近はモバイルルーターでのWi-Fi専用で通信していた個人輸入したSIMロックフリーのiPhone 4への装着である。

この製品は、日本通信から提供されている一連のNTTドコモのインフラを利用したSIMタイプの通信サービス商品で、購入後に一定期間又は一定の通信量を使い切った後は、適宜プリペイド料金をチャージすることで期間延長及び通信量の追加が可能となる形態の商品である。したがって、どちらかと言うと使い切りの商品で、最低契約期間の設定や長期間利用による値引き等のサービスが無い代わりに、初期投資は低く抑えられるようになっている。
実際、b-mobile Fairでは初期の4カ月又は1GBの通信量のいずれかに達するまでの使用料を含む9,800円(税込)で購入が可能で、その後同じ4カ月か1GBの利用権は8,350円でチャージすることで得ることができる。ちなみに、b-mobile FairにはminiSIMタイプのカードとmicroSIMタイプのカードの2種類の商品があるが、どちらも料金は同一である。ただし、購入後にこれらのカードのタイプを変更することはできない。さらに、いずれもデータ通信専用で、通話には利用できないし、MMSを含むメールサービスにも対応していない。

最近の流行としては、Xi契約したdocomoのminiUIMカードをSIMロックフリーのiPhoneに装着する形態が多そうな気がするが、どうせLTE通信ができるわけでもなく、b-mobile Fairの3G通信(下り14Mbps)で充分なのは確かである。もちろん昔試用してみたb-microSIM U300は最大で300kbpsなので、速度面で少々不満が無いではなかったが、このFair版の理論値14Mbps相当なら待たされ感はほとんど無い。

今回b-mobile Fairを購入したきっかけは、ずっと利用してきたイーモバイルのPocket WiFiが2年間の継続契約期間を満了したので速攻解約を決めたことにある。他には、LTE対応やWiMAX対応のモバイルルーターを手に入れることも考えないでも無かったが、実はau版のiPhone 4Sを見送ったこともあり、そろそろリリースされるであろうiPhoneの次期バージョン(iPhone 5かな?)の時期を考えると、ある程度繋ぎ的に使えるb-mobileシリーズのSIMは扱い易そうだと思ったわけである。

実際にb-mobile FairのmicroSIMをiPhone 4に装着してみて、何の問題も無く使えていて呆気ない程である。確かに以前利用したb-microSIMの経験があるので、開通手続きや設定もほぼ同じようにこなすことができたわけだが、ともかく何ら難しい事無く3G通信が利用できる。
なお、iPhoneで言う「インターネット共有」(一般的にはテザリングと呼ばれている機能)を利用するのは今回初めてで、設定>一般>ネットワーク>モバイルデータ通信ネットワーク>インターネット共有、のところでAPN等を入力することが説明書には書かれていなかったので少々戸惑ったが、分かってしまえば単純なことで後はインターネット共有の設定をオンにすればテザリングは直ぐに機能してしまった。少し残念なのは、テザリングとしてWi-Fi、Bluetooth、USBのいずれかの接続が可能なのだが、Wi-Fiを利用した場合にそのSSIDにiPhone自身の装置名が使われてしまい、変更ができないようになっていることだ。普通はiPhoneの装置名には所有者の名前を含めていることも多いと思うので、知らずに設定していると電波を通じて世間に名前を晒すことになってしまう(笑)。当然ながら、これはb-mobile Fairの所為ではなく、iPhoneのネイティブな仕様である。

結局の所、b-mobile Fairのレポートと言いながらそれらしい分析は無きに等しいわけで、いささか名前倒れの内容となってしまったが、ともかくiPhone 4で利用する限り何の問題も無いということだけは明言しておきたい。これがiPhone 4SぐらいだとSiriによる通信量とか色々と気にする部分もあると思うが、少なくとも常時通信するのはプッシュ通知を利用しているアプリぐらいなので、まだまだ余裕があると考えて間違い無さそうだ。

2011-11-03

Sony Ericsson「Xperia mini pro (SK17i)」Hands-on


Xperia mini proの「Hands-on」というわけで、初めてのAndroid端末として国際バージョンであるSK17iの型番を持つこのガジェットをしばらく利用してみた感想を書いてみることにする。
なお、最初に断っておくがあまり電話キャリアに投資をするつもりは無いので、通信回線は自宅のWi-FiかイーモバイルのPocket WiFiしか利用しないため、3G回線上での利用は一切無いという前提で解釈願いたい。

「Xperia mini pro」は、手のひらに収まるコンパクトさとスライド式QWERTYキーボードを兼ね備える Sony Ericsson社製の Android端末で、ボディカラーはBlackとWhiteの2種類がある。また、それぞれに交換用の背面バッテリーカバーがあり、BlueやPinkに着せ替えることができる。
姉妹モデルとも言える「Xperia mini」は物理キーボードを持たないタイプで、mini proよりさらに薄型、軽量に仕上がっている。この Xperia miniは、日本ではイーモバイルから「Sony Ericsson mini」という愛称(型番は「S51SE」)で発売されたばかりである。
小型モデルとしては、同社の「Xperia X10 mini pro」の後継機に相当し、兄弟モデルにはフルサイズの液晶画面を装備した「Xperia pro」がある。
これらの親戚筋モデルとの比較も少し書いてみることにする。

基本スペックは、サイズが 92.0×53.0×18.0mmで重量は136gで、対角3inchで 320×480ピクセルのタッチパネル式液晶画面を備える。サイズとしては一回り大きい Xperia proが重量では142gと、意外に本機との差がないことが不思議である。画面画素は X10 mini pro → mini pro → proの順で、240×320 → 320×480 → 480×854とかなりの違いがある。この違いから、本機での文字の読取りに難があるのではないかと懸念していたが、液晶の発色が良好なことも手伝ってか視認性はかなり良く、心配する程に目の粗さは目立たなかった。
内蔵の背面カメラは5百万画素クラスで720Pのビデオ撮影も可能となっており、撮影用LEDライトが隣接して配置され、自画撮り用の前面カメラ(VGA相当)も装備する。これも見落としがちだが、Xperia miniには前面カメラが無い。そのため、受話用スピーカー付近のセンサーの配置も mini proと miniでは異なっている。
イヤホンの端子は3.5mmサイズのオーディオジャックで、キャップは無いむき出しの状態である。充電及びデータ転送用にはminiUSBポートが装備されているが、こちらは一点支持タイプのキャップがある。入出力としては、他にBluetoothとWi-Fiの無線通信を内蔵している。
他にFMラジオも内蔵しているのだが、国際バージョンのモデルではカバーする周波数範囲が日本のFM放送とは異なるため、購入時のままでは国内での利用はできない。この問題は、システムの設定ファイルによって解決可能らしいが、SDK環境を持たない自分は今のところチャレンジしていない。

本体の付属品については出荷元によって異なる部分だと思われるが、今回香港発の通販で入手した際の付属品は一つ前の個人輸入の記録に記載しておいたのでそちらを参照願いたい。特にその中には画面保護フィルムも含まれていたのだが、国内販売されていない機種だからこそ入手困難なアクセサリーであり、別途入手する手間が省けて助かった。

次に操作性についてだが、各ボタン類は割とカッチリとしていてヘタリが発生しにくいタイプだと感じた。良く操作するボタンとしては、画面下の中央に物理タイプのホームボタンがあり、その左右にタッチタイプのリターンボタンとメニューボタンがある。このタッチボタンは油断するとうっかり触ってしまいがちなのが残念な所だ。
本体の右サイドには上部にボリュームボタンと下部にシャッターボタンがある。このシャッターボタンは本体を左に傾けてランドスケープ位置にした場合に当然の配置なのだが、そのときに左上に位置することになるボリュームボタンは左が音量アップ、右が音量ダウンとちょっと不自然な配置になってしまっている。ここは本体をランドスケープ位置にした時に上が音量アップ、下が音量ダウンと当たり前の配置になっているのだが、iPhone等のように左サイドにボタンが配置されている場合と逆になるので仕方が無い部分だろう。

他に、本機では背面にスピーカー音の通気口があるが、これが本体下部に近い所にあるために気を付けないと手に持った際に塞いでしまうことになる。
不思議なことに、姉妹モデルの Xperia miniではこの通気口が逆側の背面カメラに近い場所に配置されている。これはバッテリーカバーを外してみると分かるのだが、本機が本体上部から順にmicroSDカードスロット、SIMスロット、バッテリーコネクタ、スピーカーと並んでいるのに対して、Xperia miniはすべて全く逆に並んでいるのである。そんな内部構造にも関わらず、背面カメラは両機でほぼ同じ位置に配置されていると言うのもまた興味のある部分と言える。
本機はスライド式キーボードを装備しているので構造上の制約も大きいと思われるが、なぜほぼ同スペックの Xperia miniの内部構造を大きく変える必要があったのか事情が知りたくもなるというものである。

システムは Android 2.3で、ユーザインタフェースは Sony Ericssonオリジナルのメニューをベースとしている。小さな画面でも短い手順で多くの機能にアクセスできるよう、四隅のポップアップメニューに色々なアプリを登録できるようになっている所が便利で、他にはホームボタンの長押しで最近使用したアプリのリストが表示され、そこから起動させることも可能になっている。このリストは最近の8件分アイコンが並ぶのだが、どうせならもう少し数を増やしても良かったのではないか。
また、待受画面でフリックにより左右に画面を切り換えて、各画面に配置してあるウィジェットを使うことができるが、この画面でピンチインアクションをすると全画面のウィジェットのサムネイルが一つの画面内に集合して浮遊するというアニメーションも秀逸である。ここでサムネイルにタッチすれば、一々画面をフリックしなくてもダイレクトにウィジェットにアクセスできるので時々利用している。

出荷時点でインストールされていたアプリは次の通り。
連絡先、電話、メッセージ、ブラウザ、Timescape、設定、セットアップ、ミュージック、ギャラリー、アラーム、カメラ、Eメール、マーケット、Facebook、カレンダー、マップ、Gmail、トーク、ナビ、プレイス、Latitude、サポート、同期、電卓、TrackID、YouTube、友達の音楽と動画、ニュースと天気、ダウンロード、アプリを取得、ゲームを取得、OfficeSuite、Application Installer、検索、Xperia Hot Shot、音声検索、Conneted devices、Store、WaveSecure、更新センター、FMラジオ、Games by PopCap、拡張検索、Messenger、時計、LiveWareマネージャ、VirusScan、Moxier Pro、UEFA.com。
残念ながら、WaveSecureやVirusScanといったセキュリティ関連のアプリは3G回線経由での端末の認証が必要らしく、Wi-Fiオンリーの環境では利用できなかった。

上記でいくつかのアプリは日本語の名称を用いたが、このようにメニューや説明文も含めて言語を切り換えた際の日本語へのローカライズはかなり行き届いており、日本未発売モデルとは思えない仕上がりに感心した次第である。もちろん共通のプラットホームを持つXperiaシリーズの中には日本発売済みモデルもあるのでリソースは共用しているはずではあるが、個々の機種に依存する部分もあることを考えると手間を惜しまずに対応したことは賞賛に値すると評したい。
そんな高度なローカライズの中で少々残念だったのは、日本語に使用されているフォントが日中韓の漢字文化圏で共用の書体を採用しているらしく、一般的な国内のフォントとは文字形に違いがあることが少々違和感を抱かせてしまう点である。例えば「今」の文字の冠の下は「ラ」のように横棒で表現されるのが普通だが「う」のように点で表現されているのである。他には、もしかしたら文字のカーニングの問題かもしれないが、「直」や「県」のような文字で左側の縦棒が表示されないのも結構気になるところである。

とりあえずはAndroidの使い心地を試すつもりで無料アプリをいくつか使ってみたが、Twitterオフィシャルのアプリでスライド式QWERTYキーボードを使ってテキスト入力しようとしたら日本語入力ができないことに気付いた。普通はキーボードの地球マークのキーを操作してモードを切り換えられるのだが、いくつかのアプリではこれが無効となってしまうようだ。
QWERTYキーボード自体はしっかりしたクリック感があり、ぐらつきも無い使い心地の良いものであるだけに、使えない場面があるのは実に惜しい所である。なお、キーボードに関しては必ず指摘のあるポイントだと思うが、シフトキーのようなモディファイヤーキーはぜひとも左右それぞれに配置してもらいたい。一応、代替手段としてはシフトキーを押してからすぐに離して次に英字キーを押せば大文字が入力できるのだが、やはり同時押しの方が早いわけでして…。

冒頭に書いたように、普段は持ち歩くことで複数のWi-Fi間で切り換えて利用していたのだが、登録済みのWi-Fi圏内に入ってもなかなか無線接続が確立しないことが多く、もう少し接続性を高くして欲しい所だ。ちなみに、比較対象にした iPhone 4では Pocket WiFiを切っておいてスリープ状態で帰宅すると、じきに自宅のWi-Fiに接続されてメール着信通知も確実に行なわれている。

以上、使用したアプリも僅かだし、そもそも電話として利用しいないようなレビューがはたしてどれだけ情報として意味があるのかは微妙だと思うが、まずはファーストインプレッションとして書き残してみたというお粗末まで。

2011-10-08

Sony Ericsson「Xperia mini pro (SK17i)」を個人輸入

Sony Ericsson製の「Xperia mini pro」の国際バージョンSK17iを購入して1週間余りが経ったところである。
昨年SIMロックフリーのiPhone 4を購入した時のように、個人輸入を代行してくれる通販ショップの eXpansys を利用して香港から取り寄せたのだが、ここでは入手までの経緯を書いてみることにする。

ちなみに、「Xperia mini pro」というのはご存知のようにタッチパネルの他にスライド式でQWERTYタイプの物理キーボードを装備したAndroid端末で、同様のスタイルのモデルとして発売された「Xperia X10 mini pro」の後継機種の位置付けになる。さらにXperia mini proと近い時期に発表された「Xperia pro」も同じスタイルのモデルでこちらは名称に「mini」が付いていないだけあって大きなサイズのディスプレイを擁するフルスペックモデルとなる。
発売順で言うと、X10 mini pro → mini pro → pro といった具合になり、世代が進む程に名称が短縮されて行くと言う少々常識を外れたネーミングが独特である。
なお、X10 mini proとmini proにはそれぞれ物理キーボードを持たない「Xperia X10 mini」と「Xperia mini」という姉妹モデルがあるが、これらはキーボード以外の装備やスペックがproモデルとほぼ同一で、普通のユーザーはコンパクトで軽量なproではない方のモデルを選択することになるだろう。

元々iPhone 4をPocket WiFiと併用していて特に不足はなかったが、やはりAndroid環境も手にしておきたいのと、キーボード付きのガジェットが入手したかったので、Xperia mini proに狙いを定めたわけである。
前回のiPhone 4のように発売当初の品不足から購入後に入手まで3カ月程度も待たされることもなく、Xperia mini proは順調に出荷されていたことから、為替レートの反映状況も見ながら手頃な値段になった頃を狙って購入することにした。途中、意外に安く入手できそうなXperia proがさらにXperia mini proと重量にあまり違い長いことに気付いて少々迷いが生じたが、最終的によりマニアックなmini proの方を選んだ形だ。

価格としては8月頃の底値とほぼ同じと思われるが、9月下旬の下落を見て注文に踏み切った。例によってFedExの通常配送を選んで着荷までは4日となっていたが、果たしてネットでのオーダーから4日後の正午前には我が家に到着していたようだ。

購入したのはWhiteタイプで、このタイプには交換用の薄いピンク色をした背面のバッテリーカバーが付属している。そのせいか本体パッケージは白い面と濃いめのピンクをベースとした面があり、かなりポップな印象となっている。
本体の他に同梱されていた付属品は次の通り。
・説明書各種(初期導入説明、重要情報、通信機器認定関連、アップデート案内)
・バッテリー
・交換用バッテリーカバー(ピンク)
・マイク付きステレオイヤホン
・画面保護フィルム(事前清掃用クロス付き)
・USBケーブル(microUSBオス:USB-Aオス)
・USB出力型ACアダプタ(ユーロコネクタ)
・USB出力型ACアダプタ(日本対応コネクタ、100V-240V)
最後のACアダプタは本体パッケージとは別に外箱の中に同梱されていた。輸出元が香港なので、その上のユーロタイプのコネクタを持つACアダプタが標準装備品ということになるのであろう。
なお、最初にオーダーした時点では表示がなかったが、配送状況の明細には本体の他にこのACアダプタが別項目とてリストアップされており、200円の価格が付いていた。もちろん本体価格からは200円が除かれて表記されていたので、合計価格は注文時の金額より上乗せになったりはしていなかったので問題はないというわけだ。

パッケージ内では、珍しく本体がビニール袋ではなく不織布と思われる袋に入れられていた。さらに、本体前面と背面LEDライトやカメラレンズの表面には保護フィルムが貼られていたが、カメラレンズを覆っていたのは透明な粘着質のゲル状物質で、バッテリーカバーを外さないと取り去るのも難しく、かなり目立たない状態になっていたので、気付かずに除去しないままにしておくとカメラ画像が酷いことになりそうである(笑)。

まだ消費税の書類が到着しておらず支払いが済んでいないので手続き全体が完了してはいない状況だが、一応個人輸入は無事終わったと言えそうだ。


2011-07-09

Nikon「COOLPIX P300」

いささか日が経ってしまったが、この5月の下旬に今年2011年3月18日から発売が開始されたNikon製のコンパクトデジタルカメラ「COOLPIX P300」を購入した。
前回同じくコンパクトデジカメを購入したのは約2年前の「COOLPIX P90」で、そのことはこのブログにも記載したわけだが、どちらかというとあまりマメではない自分だけに高倍率ズームの嵩張るボディのカメラを常用することが億劫になり、普段から持ち歩くカメラとして小さめのボディのモデルを入手しようかと迷い始めていた。そんな折りに発売されたのがCanon製の「PowerShot S95」で、コンパクトデジカメの中でハイエンドシリーズに分類される「PowerShot G12」に近い撮影素子や機能を持ちながら、よりシンプルでコンパクトなボディを実現した新しいセグメントのモデルである。この機種には随分心を惹かれたのだが、発売直後に飛び付くのもリスクが大きいし、Canonからこのモデルが発売されたと言うことは他社からも同様なモデルが登場することが予想されたので、しばらくは様子を見ることにした。
そうこうしているうちに、今年の2月にはNikonから今春の新機種が発表されて、COOLPIX P300もその中にラインナップされていたわけだ。何と言っても広角側が35mmフィルム換算で24mmと圧倒的な画角を確保しており、無闇に引きのポジションを確保せずとも目の前の情景が一枚の画に収められるのは便利に違いない。しかも明るいレンズは自分の好みにも合っていて、暗い場所で手ぶれ補正に頼りたくないような場面でも重宝しそうだと考えた。もっとも、ハイエンド品質を重視する方々にとってはRAWデータが記録できないところはマイナスポイントだと思われるだろうが、普通は撮影データのレタッチをしない自分にとってはRAWデータの価値もあまり影響しないし、何でもメモリカードに溜め込んでしまう性分なのでRAWデータがあったら大変なことになるかもしれない。もう一つの懸念事項は所謂ハイエンド機と異なって、一般のコンパクトタイプと同様の1/2.3inchと小さめの映像素子を採用している点だが、他のモデルと比較してもノイズの少ない画像が得られているとの評価もあり、裏面照射型センサーに期待して購入に踏み切ることにした。

操作性については、最近のCOOLPIXシリーズとして恐らく標準的な構成で、背面の十字ボタン機能も備えたダイヤルが調整操作の中心となっており、ズーム操作もシャッター付近のレバーで行なうごく普通の形式となる。一方、背面のダイヤルと同様に手元ですぐにアクセスできる位置として、ボディ天面の右端にコマンドダイヤルが配置されているのだが、せっかくの一等地にあるパーツであるにもかかわらず意外と機能が限られていて、例えばプログラムモードでのプログラムシフトに利用する程度で、マニュアルモード以外ではあまり活躍の場が与えられていないのは何とも残念なところである。
バッテリーは専用タイプだが、カメラ本体にUSBミニコネクタのポートを持ち、USB給電によってバッテリーの充電が可能となっている。これまでカメラは予備バッテリーを購入していたが、USBケーブルで送電できるeneloop mobile boosterを利用すれば対応できそうなので、今のところ予備バッテリーなしで利用している。
アクセサリーとしては別売りの専用ケースCS-NH41を購入したが、クラシカルなP300のトップ部分の造形がこのケースによってよりレトロテイストを帯びて渋い感じになるのが気に入っている。