2013-05-04

Macで設定するYAMAHAルーター"NVR500" (1)


 YAMAHAのルーター“NVR500”を購入したので、自宅のNTT東日本フレッツ光ネクストファミリー・ハイスピードタイプの戸建て向けサービスへの接続の記録をしておく。


 MacでNVR500を管理するのに必要なのは、最低限LANケーブル1本だけである。
 簡単な設定ならMacとルーターをLANケーブルで直結してWebブラウザから設定ページにアクセスすれば用が足りてしまう。コマンドを使用した詳細設定についても、同じ接続方法でMacからルーターにtelnet接続をすれば良い。Mac側のtelnetクライアントソフトはOS標準のターミナルアプリが利用できる。その利用方法は次回の記事で掲載することにしたい。さらに、ルーターのファームウェアのリビジョンアップにしても、本体のDOWNLOADボタン操作だけで実行できてしまう(あらかじめボタンの機能設定が必要)。

 まずはYAMAHAのサポートサイトから最新のマニュアルをダウンロードする。
  http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/manual.html
 ページのタイトルは「RTシリーズのマニュアル配布」となっているが、NVR500も一応RTシリーズの廉価タイプということになるようで、ページの中程にリンクが掲載されている。
 なお、筆者の購入したNVR500は出荷時のファームウェアがRev.11.00.19となっていたが、公開されているコマンドリファレンスは既にRev.11.00.20対応である。初期の設定にはファームウェアのバージョンアップは必要ないはずなので、現状のままのファームウェアで設定してみることにする。ダウンロードできるのは次の4種類のマニュアルである。

  • 取扱説明書
  • はじめにお読みください
  • コマンドリファレンス
  • 正誤表

これらのうち、コマンドリファレンスはAcrobat DocumentスタイルのファイルとHTMLスタイルのアーカイブが用意されており、HTML版はこのサイト内でも閲覧できるようになっている。

 最初は「はじめにお読みください」のマニュアルに沿って初期の設定を試してみる。
 このルーターには底面に3つの切換えスイッチが用意されているが、今回はISDNを扱わないので出荷時の設定のままで設定を進める。

1.MacのEthernetポートとルーターのLANポートをLANケーブルで接続する。
 MacBook ProのThunderboltポートにThunderbolt-to Gigabit Ethernet Adapterを接続して、Twisted PairケーブルでNVR500のLAN 1ポートに接続した。この場合はLAN 1からLAN 4までのいずれのポートを使用しても構わない。

2.ONUのLANポートとルーターのWANポートをLANケーブルで接続する。
 一般的にONUのようなモデム類は、LANポートに接続される機器の情報を保持していて、他の機器に交換した場合はしばらく時間をおく必要がある製品もあるが、当方のフレッツ光ネクスト用のONUではその必要は無かったようだ。

3.アース端子の接続は省略する。
 本来ならここでアースラインの接続をするべきだが、手頃なアース接続先が無いので省略した。

4.ACアダプタをルーターの電源コネクタに接続してから、コンセントに接続する。
 この製品のACアダプタは、コンセントの端子が並んでいる方向に長さがあるタイプなので、比較的隣の差込口に干渉しないで済む。

5.ルーターのPOWERスイッチを「ON」にして電源を入れる。
 ルーター前面のランプが順次フラッシュ点灯した後に、各デバイスポートのランプがしばらく点滅して、ONランプが点灯する。デフォルトではリンクアップ時にブザーが鳴るように設定されているので、途中単音のブザーも鳴動する。

6.Macのネットワークを切り換える。
 Macのシステム環境設定を起動して、ネットワークアイコンを選択し、左側のリストからルーターを接続したネットワークインタフェースを選択する。今回はアダプタを利用しているので「Thunderbolt Ethernet」を選んだ。通常は右のペインで「IPv4 の構成」から「DHCP サーバを使用」を選択して、右下の「適用」ボタンをクリックして設定を保存する。初期の状態なら次のように表示される。

  • IP アドレス:192.168.100.2
  • サブネットマスク:255.255.255.0
  • ルーター:192.168.100.1
  • DNS サーバ:192.168.100.1

もちろん既にDHCPのアドレス払出しが進んでいると、192.168.100.2の「2」の部分は他の値になっていることもあり得るが、そこは気にしなくても問題ない。
 アドレスやサブネットマスクが表示されなかったり、元の値が残ったままになっている場合には、右下の「詳細…」ボタンをクリックして、「TCP/IP」タブを選んだら、右にある「DHCP リースを更新」ボタンをクリックしてアドレス等が表示されることを確認して「OK」ボタンをクリックする。その後に「適用」ボタンがアクティブになっているようならクリックして設定を保存する。
 これでMacからルーターにアクセスする準備は整ったので、システム環境設定は終了する。

7.MacでWebブラウザを起動して「かんたん設定ページ」を開く。
 Safariを起動して、現状のウインドウ又は新しいウインドウやタブを開いて、アドレス欄に「http://setup.netvolante.jp/」と入力してreturnキーを押す。ちなみにマニュアルには「jp」の前のドットが抜けたアドレスが誤記されているので注意が必要である。
 ここでIDとパスワードを要求されたら何も入力せずに「OK」してよい。それでもアクセスできない場合は、他のブラウザを使って試してみると良い。筆者はSafariでアクセスできなかったのでFirefoxで代替えしてみた。
 アクセスに成功すると「かんたん設定ページ」が開き、各種の設定や情報の参照ができる。

 ここまでが「はじめにお読みください」に記載されている範囲で、ここからは「取扱説明書」に従って設定を進めて行く。

 接続の準備は既にできているので、51ページの「準備3 パスワードを設定する」から取り掛かることにする。
 始めに管理パスワードの登録を、次に無名ユーザの登録をするのだが、ここはマニュアル通りで特筆すべきことは無い。この管理パスワードは、後にルーターの設定を変更する際のコンソールからのアクセス等で、一般ユーザから管理者に権限変更するためのadministratorコマンドでも利用される。また、無名ユーザは通常のログインで使用されるが、設定をしないままにしておくとログインでは管理パスワードが使用できる。
 操作順序は次の通り。
「かんたん設定ページ」:「詳細設定と情報」ボタン
「ユーザとアクセス制限の設定(HTTP、TELNET、SSH)」→「設定」ボタン
「管理パスワード」欄→管理パスワードを入力
「設定の確定」ボタン
「トップへ戻る」ボタン
ここでパスワード入力を求められるので、「パスワード」欄に前記の管理パスワードを入力してから、「OK」をクリックする。
この時に、「ユーザー名」欄は入力しない。
「かんたん設定ページ」:「詳細設定と情報」ボタン
「ユーザとアクセス制限の設定(HTTP、TELNET、SSH)」→「設定」ボタン
「無名ユーザ」→「設定」ボタン
「ログインパスワード」欄→ログイン用パスワードを入力
「設定の確定」ボタン
「トップへ戻る」ボタン

 次は55ページの「準備4 日付・時刻を合わせる」へ。
 取扱説明書では手動で日時を設定する操作が書いてあるが、ついでにNTPサーバを利用した時刻の自動補正の設定もしておくと良い。なお、ルータの設定によってはルータ自身がNTPサーバとの通信パケットを破棄してしまって時刻合わせができなくなるが、工場出荷状態でのファイアウォールのセキュリティレベルは「6」に設定されているので、敢えて変更しなければ特別な措置は必要ないようだ。
 操作順序は次の通り。
「かんたん設定ページ」:「詳細設定と情報」ボタン
「本体の設定(日付・時刻)、ブザー)」→「設定」ボタン
「日付と時刻の設定」欄:「下記設定日時に変更する」にチェックを入れる
「年月日時分秒」欄→日付と時刻を入力
「問い合せ先NTPサーバ」欄→サーバアドレスを入力
(ここはMacユーザなら"time.asia.apple.co.jp"を利用すべきだろうか(笑)。)
「NTPサーバによる自動調整」:「日」欄→適度な調整間隔を選択
(あまり過度に調整するのは考えもの。調整時刻は気にしなければ変更不要。)
「設定の確定」ボタン
「トップへ戻る」ボタン

 さらに57ページの「準備 5 LAN側IPアドレスを設定する」へ。
 NVR500のデフォルト設定では、ルーターのアドレスが192.168.100.1でDHCPサーバからの割当て範囲は192.168.100.2〜192.168.100.191の190個分となっている。通常の家庭内LANなら他の機器と競合することもないので、このままで利用できるなら変更の必要は無い。

 そして59ページの「準備 6 LAN内のパソコンのIPアドレスを変更する」へ。
 ここはルーターの設定というよりは各クライアント側の設定になる。
 従来から固定IPアドレスを設定している機器は、前記のLAN側IPアドレスの設定に従ってデフォルトなら192.168.100.0/24でのアドレスを設定することになる。筆者の自宅では随分前からNASを設置しているので、192.168.100.200に設定しておいた。他にも固定IPアドレスの機器は192.168.100.201以降のアドレスを順に設定していく。

 次はいよいよ外部ネットワークへの接続である。
 取扱説明書60ページの「インターネットへの接続方法を選ぶ」に従って、フレッツ光なら「ブロードバンド回線でインターネットへ常時接続する」により61ページへと進む。
 操作順序は次の通り。
「かんたん設定ページ」:「プロバイダ情報の設定」ボタン
ここで回線の自動判別機能が動作する。
「プロバイダの設定1/4ページ」:「PPPoEを用いる端末型ブロードバンド接続」にチェックが入っていることを確認
「次へ」ボタン
「プロバイダの設定2/4ページ」:「設定名」欄→適当な名前を入力
(この入力は省略も可能だが、後で簡単設定ページトップの接続状態表示等で使用されるので短めの識別しやすい名称を付けておいた方がスマートである。)
「ユーザID」欄→プロバイダの接続用ユーザIDを入力
(ここは例えばニフティなら"abc01234@nifty.com"といったスタイルになる。)
「接続パスワード」欄→プロバイダの接続用パスワードを入力
「次へ」ボタン
「プロバイダの設定3/4ページ」:自動取得又は指定アドレス設定
(ここもプロバイダからの指定に従って選択する。以前は特定のDNSサーバアドレスを公開していたプロバイダも多かったが最近は自動取得が推奨されているようだ。)
「次へ」ボタン
「プロバイダの設定3/4ページ」:以上の設定内容を確認
「設定の確定」ボタン
「接続」ボタン
これでプロバイダへの接続状態が表示されるので、「通信中」になれば設定は成功したことになる。
 当面、電話機の利用やVPN類の利用を考えていないので、この後の設定は割愛する。

 これ以降、ストレージの共有(174ページ)やセキュリティ関連(182ページ)、外部向けポート割当て(192ページ)については別途試してみることにする。
 また、203ページには「フレッツ・スクウェアを利用する」として複数の接続先への接続例を示しているが、フレッツ光ネクストの場合はIPv4でプロバイダと接続していても、NGN網にIPv6接続することで専用サイトにアクセスできるようになっているので、その方法は後の記事に例示する。

 UPnP機能については206ページに説明があり、208ページには工場出荷状態ではUPnP機能を「使用する」の設定になっていると記載されているが、少なくとも筆者の装置では「使用しない」になっていた。
 この設定は次の手順で変更できる。
「かんたん設定ページ」:「詳細設定と情報」ボタン
「UPnPの設定」→「設定」ボタン
「UPnPの使用」欄→「使用する」を選択
「設定の確定」ボタン
「トップへ戻る」ボタン

 ファームウェアのリビジョンアップ方法は241ページに記載がある。
 ルーター本体の前面にあるDOWNLOADボタンによるリビジョンアップを利用するには次の手順で設定が必要である。
「かんたん設定ページ」:「詳細設定と情報」ボタン
「DOWNLOADボタンの設定」→「設定」ボタン
「DOWNLOADボタンで使用する機能」欄→「リビジョンアップ」を選択
「設定の確定」ボタン
「トップへ戻る」ボタン
なお、リビジョンアップ画面を利用した方法も選択できる。

以上が基本的な接続の設定となる。
次回はMacからtelnet接続を利用して、フレッツ光の「サービス情報サイト」(旧フレッツ・スクウェア)への接続を有効にする設定の手順を説明する。

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